魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
ここに来る前、やっとスレイバート様にこのペンダントを返す機会があったのだけど……彼は一瞥すると「必要ない、丁度今日のドレスに合うからお前が付けとけ」と、断る間もなく首にかけられてしまったのだ。
よくよく見ると、宝石の中には雪の結晶のように見える模様が浮かんでいて、なんとも美しい品である。噂話に過ぎないが、長年聖なる魔力を持つ人が身に着けていた宝石は、【貴聖石】という特別な力を持つものに変わることがあるのだとか。スレイバート様のお父上もテレサと同じ聖属性魔法の使い手だったと聞くし、もしかしたらこれもそう変化しているのかも。
確かにご加護はあるかもしれないけれど、そんな貴重な品であり、かつ他の人の大切な家族の遺品を身に着けているのは、やや収まりが悪い。
「ふはは。あやつはよっぽどお前さんのことを手元に置いておきたいようじゃ」
「そんな、ただの気まぐれですよ。それに最近私、色々と危ない目に遭いやすいから、心配してくださってるんだと思います」
「そうかの~?」
どこか楽しげに絡んでくるクリム様だが、嫌な感じがしないのは人柄のなせる業だろう。こんな茶目っ気のあるお爺さんがいたら楽しいだろうな、と思うとスレイバート様が羨ましい。
「クリム様、そろそろ……」
よくよく見ると、宝石の中には雪の結晶のように見える模様が浮かんでいて、なんとも美しい品である。噂話に過ぎないが、長年聖なる魔力を持つ人が身に着けていた宝石は、【貴聖石】という特別な力を持つものに変わることがあるのだとか。スレイバート様のお父上もテレサと同じ聖属性魔法の使い手だったと聞くし、もしかしたらこれもそう変化しているのかも。
確かにご加護はあるかもしれないけれど、そんな貴重な品であり、かつ他の人の大切な家族の遺品を身に着けているのは、やや収まりが悪い。
「ふはは。あやつはよっぽどお前さんのことを手元に置いておきたいようじゃ」
「そんな、ただの気まぐれですよ。それに最近私、色々と危ない目に遭いやすいから、心配してくださってるんだと思います」
「そうかの~?」
どこか楽しげに絡んでくるクリム様だが、嫌な感じがしないのは人柄のなせる業だろう。こんな茶目っ気のあるお爺さんがいたら楽しいだろうな、と思うとスレイバート様が羨ましい。
「クリム様、そろそろ……」