魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「――ぐぁっ!」

 そんな想像が現実となる一瞬前――突如、奇妙な現象が私を救った。

 バキィン――と、甲高い音を立てて凶器が弾き飛ばされ、天井に突き刺さったのだ。

「ぐうぅっ……なにが起こりやがった」

 目の前で自らの手首を抑えて呻く青年も驚きを隠せない様子でいる。そんな彼の視線は、一番顕著な変化を見せた、私の胸元に光るペンダントに注がれていた。

「これは……?」

 それはふわり、ふわりと浮かびながら周りに空色の魔法の光を生み出し、それで私の周囲を護るように包んでくれている。ナイフを弾き飛ばしたのは、この光の力……なの?

「魔道具か……? 面倒くせえ……」

 しかし、赤髪の青年もすぐに立ち直ると、片手を突き出し強い魔力を集中し始めた。
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