魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
紫は誇り高さと神秘的な魅力を併せ持つ彼にぴったりだ。今度話をする時にも、それにちなんだお菓子とか、なにかプレゼントを持って行けば、話が弾むことだろう。
また忙しく手を動かし始め、ぼんやりとそんなことを考えていたら――ルシドがばっと顔を上げた。
「なんだ……?」
「どうかしたの?」
そのずいぶんと険しい顔に私は手を止め――耳を澄ましてみるが、何も聞こえない。
「いえ、剣の鞘走るような音がしました……確かめてきます!」
だがルシドは慌てて手を拭いつつ階下へ降りてゆく。私もすぐにその後を追ったが、その時はもう外から、なにか騒ぎのような音が響いて来ていた。
『な、なぜあなた様のような方がこちらに!? 公爵様からは何も聞いておりません! どうかお引き取りを!』
『ええい、この方はいずれ輝かしい帝国史に名を刻む御方であるぞ! 辺境の公爵風情の許可など要るものか! 邪魔をするなら容赦はせん!』
『誰か、中に知らせに――うあぁぁぁぁっ!』『くそっ、ルシドぉっ! テレサ様とシルウィー様を外に――うぐっ!』
また忙しく手を動かし始め、ぼんやりとそんなことを考えていたら――ルシドがばっと顔を上げた。
「なんだ……?」
「どうかしたの?」
そのずいぶんと険しい顔に私は手を止め――耳を澄ましてみるが、何も聞こえない。
「いえ、剣の鞘走るような音がしました……確かめてきます!」
だがルシドは慌てて手を拭いつつ階下へ降りてゆく。私もすぐにその後を追ったが、その時はもう外から、なにか騒ぎのような音が響いて来ていた。
『な、なぜあなた様のような方がこちらに!? 公爵様からは何も聞いておりません! どうかお引き取りを!』
『ええい、この方はいずれ輝かしい帝国史に名を刻む御方であるぞ! 辺境の公爵風情の許可など要るものか! 邪魔をするなら容赦はせん!』
『誰か、中に知らせに――うあぁぁぁぁっ!』『くそっ、ルシドぉっ! テレサ様とシルウィー様を外に――うぐっ!』