魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「……公爵家のご令嬢!? っすみません、私なんかがご迷惑をおかけして」
公爵家と聞いて、私の背がぴしっと伸びた。彼女の気品ある佇まいにはそうさせる説得力がある。
「とんでもない。このくらい当然のことです。兄を助けていただいて、私達とっても感謝しているんですから」
身分の違いを感じさせまいとする彼女の気遣いに、私の脳はようやく彼女に言われた内容を咀嚼し始めたようだ。
「お兄さん……。スレイバート……様」
外見からすれば、やや年下と思われる公爵令嬢テレサ様。だが、優しい彼女が口にした内容と、今思い浮かべた記憶との違いが、私に大きな戸惑いを抱かせた。
「そのスレイバート様が、私を助けに来てくださったのでは?」
「それは、そうらしいのですけど……」
私の目で見た全く逆の内容を彼女に伝えると、彼女は含みのあるような言い方をして、困った顔で黙り込んでしまう。
静かな沈黙の中、私達がお互いを見つめていると、入室の合図があり、ひとりの青年が顔を出した。
やはり見覚えのない、日焼けしたような飴色の肌に金の髪と緑の瞳の、どこか異国的な雰囲気の漂う美青年。
公爵家と聞いて、私の背がぴしっと伸びた。彼女の気品ある佇まいにはそうさせる説得力がある。
「とんでもない。このくらい当然のことです。兄を助けていただいて、私達とっても感謝しているんですから」
身分の違いを感じさせまいとする彼女の気遣いに、私の脳はようやく彼女に言われた内容を咀嚼し始めたようだ。
「お兄さん……。スレイバート……様」
外見からすれば、やや年下と思われる公爵令嬢テレサ様。だが、優しい彼女が口にした内容と、今思い浮かべた記憶との違いが、私に大きな戸惑いを抱かせた。
「そのスレイバート様が、私を助けに来てくださったのでは?」
「それは、そうらしいのですけど……」
私の目で見た全く逆の内容を彼女に伝えると、彼女は含みのあるような言い方をして、困った顔で黙り込んでしまう。
静かな沈黙の中、私達がお互いを見つめていると、入室の合図があり、ひとりの青年が顔を出した。
やはり見覚えのない、日焼けしたような飴色の肌に金の髪と緑の瞳の、どこか異国的な雰囲気の漂う美青年。