魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
ぐっと剣が引き絞られ、ルシドの喉元に照準が定められた。しかし彼は、もう動く余力もないかのように、両手をだらりとさげたままだ。
「――やめて、皇太子様! あなたに服従を誓いますから、どうか彼の命だけは!」
必死に懇願し手を伸ばす。だが、皇太子様の顔から残虐な笑みは消えない。
「愚民どもよ、思い知れ! 自らの浅はかさが招いた結末をなッ!」
ごうと燃え盛る奪命の剣先が放たれる瞬間。ルシドが横目でこちらにすまなそうに笑いかけた。
(……誰か! いえ、違う……)
こんなにもあっさりと大切なものが奪われようとしているのに――。
私はここにいるのに――自分の身を楯にすることすら叶わない。今さらに気付く、皆、こういうことが起こらないように、強くなろうとしていたんだって。
スレイバート様は、ずっとそのことを教えようとしてくれていて――間違っていたのは、私の方だったのか……。
「――やめて、皇太子様! あなたに服従を誓いますから、どうか彼の命だけは!」
必死に懇願し手を伸ばす。だが、皇太子様の顔から残虐な笑みは消えない。
「愚民どもよ、思い知れ! 自らの浅はかさが招いた結末をなッ!」
ごうと燃え盛る奪命の剣先が放たれる瞬間。ルシドが横目でこちらにすまなそうに笑いかけた。
(……誰か! いえ、違う……)
こんなにもあっさりと大切なものが奪われようとしているのに――。
私はここにいるのに――自分の身を楯にすることすら叶わない。今さらに気付く、皆、こういうことが起こらないように、強くなろうとしていたんだって。
スレイバート様は、ずっとそのことを教えようとしてくれていて――間違っていたのは、私の方だったのか……。