魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
ビキリと……スレイバート様の掴んだ剣先から一瞬で皇太子様の手元まで氷が伸びた。彼はその拘束から逃れようと身を捩るが……氷は砕けるどころか、まるで生き物のようにその身体を呑み込み、封じ込めてゆく。
「それでも……てめえみてーなとち狂った屑野郎に、ここで我が物顔されるのだけは我慢ならねーんだよ! この土地も、俺達も……てめえらの所有物なんかじゃねえ! ひとりひとりが、自分の意志で生きてる人間なんだよ!」
「き、貴様ぁっ……私を誰だと! この国の次期皇帝となる男だぞ! 私の代になったなら、こんなだだっ広いだけの領地に住む者は、すべて奴隷にし、搾取してやる……! そのようなことになりたくなければ、今すぐこの魔法を解き、我が前に跪いて許しを乞え!」
「やってみろよ……血筋だけを笠に着た、人の上に立つ資格もねえ三下が……!」
「ひぃぃっ……!」
強い感情は時に身体から限界以上の力を引き出す。皇太子様の言葉は逆にスレイバート様の怒りに火を注ぎ、氷が身体を侵食していく速さがぐっと上がる。
「こんな……こんなはずがっ! 私は、この偉大なるラッフェンハイム帝国の末裔にして、いずれ歴代のどの先王をも上回る栄光を掴む者! その私に……二度も、こんな仕打ちをおっ! 我らが祖王たちの祟りが起こるぞ!」
「負け惜しみはそれでいいか! 生憎と、こちとら呪われ慣れてんだ……それに頼りになる婚約者もいるんでな!」
「それでも……てめえみてーなとち狂った屑野郎に、ここで我が物顔されるのだけは我慢ならねーんだよ! この土地も、俺達も……てめえらの所有物なんかじゃねえ! ひとりひとりが、自分の意志で生きてる人間なんだよ!」
「き、貴様ぁっ……私を誰だと! この国の次期皇帝となる男だぞ! 私の代になったなら、こんなだだっ広いだけの領地に住む者は、すべて奴隷にし、搾取してやる……! そのようなことになりたくなければ、今すぐこの魔法を解き、我が前に跪いて許しを乞え!」
「やってみろよ……血筋だけを笠に着た、人の上に立つ資格もねえ三下が……!」
「ひぃぃっ……!」
強い感情は時に身体から限界以上の力を引き出す。皇太子様の言葉は逆にスレイバート様の怒りに火を注ぎ、氷が身体を侵食していく速さがぐっと上がる。
「こんな……こんなはずがっ! 私は、この偉大なるラッフェンハイム帝国の末裔にして、いずれ歴代のどの先王をも上回る栄光を掴む者! その私に……二度も、こんな仕打ちをおっ! 我らが祖王たちの祟りが起こるぞ!」
「負け惜しみはそれでいいか! 生憎と、こちとら呪われ慣れてんだ……それに頼りになる婚約者もいるんでな!」