魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 でも……本当にスレイバート様が助けに来てくれてよかった。ルシドやテレサ、それに多くの騎士を巻き込んでしまったから、手放しでは喜べないけれど……。おかげで私はまだなんとかここにいられる。

(はぁぁぁぁ~、魔物に襲われた時よりも怖かった……。んひっ!?)

 彼はなぜか、やっと一息ついた私の側に寄ると、ぎゅっと力強く抱き締めてくる。

「静かに暮らさせてやることもできねーのかよ……」
「……? すみません」

 そんなにも心配させてしまったことを申し訳なく思っていると、彼はそっと私の頭をひと撫でし、ルシドに治療を施すテレサの元に向かってゆく。

「あ……お兄様」
「おう、お前もふらふらじゃねーか、無理すんな。…………ありがとな、ルシド」

 そして未だ熱っぽい顔をしているテレサを気遣うと、少しずつ顔に赤みの戻りつつあるルシドを背負い、運ぶ準備をした。

「城に戻ろうぜ。ここじゃ満足に治療もしてやれねーだろ」
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