魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
しかし、誰よりも近くにいてそれが分かっているはずのルシドは、さらに声を荒げた。
『もうあなたも分かっているはずでしょう! いつまで自分の気持ちに嘘を――』
『それ以上言うんじゃねえ!』
『ちょっと――ふたりとも!』
いきなりふたりのつかみ合いになり、私は慌ててふたりの間に割って入ろうとする。だが……。
『お姉様……! ここはふたりだけにしてあげましょう』
それを後ろから抱きついて止めたのはテレサだった。
『でも……』
『大丈夫です』
彼女は芯のある瞳でじっと私の目の奥を見通すと、強い力で腕を引いていく。
私は心配ながらも、互いに襟首を掴み合ったまま睨み合うふたりの姿を残し、部屋の扉を潜った。
『もうあなたも分かっているはずでしょう! いつまで自分の気持ちに嘘を――』
『それ以上言うんじゃねえ!』
『ちょっと――ふたりとも!』
いきなりふたりのつかみ合いになり、私は慌ててふたりの間に割って入ろうとする。だが……。
『お姉様……! ここはふたりだけにしてあげましょう』
それを後ろから抱きついて止めたのはテレサだった。
『でも……』
『大丈夫です』
彼女は芯のある瞳でじっと私の目の奥を見通すと、強い力で腕を引いていく。
私は心配ながらも、互いに襟首を掴み合ったまま睨み合うふたりの姿を残し、部屋の扉を潜った。