魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
彼は全員の確認を取った後、手に乗せた小さな箱の蓋をゆっくりと開いていく。
「わあ……。こんな立派なものを……」
彼はそれを見て、目を輝かせながらゆっくりと指で摘まみだす。
箱に収まっていたのは、楯の形をした、エメラルドが中心にあしらわれた金のブローチ。
「レーフェルの街にあるお店に行って、皆で選んだの。お守りとして……あなたがここで皆を守っていてくれた証として、持っていてくれたら嬉しい。私が言えることでもないけど……でも、もしこの先も辛いことや迷うことあったら、ここへ帰ってきて。今度は私たちが精いっぱい、あなたのことを守るから」
「シルウィー様……」
「そうだ! 丁度いいから、お姉様に付けてもらいなさいな、ルシド!」
「ええっ⁉ い、いいのかな?」「もちろん!」
そんなテレサの鶴の一声もあって、私はおずおずと手渡されたブローチを、彼の上着の胸元に取りつけた。そこに宿るのは、希望や幸せを思わせる、生きてゆく意味を映し出すような柔らかな光。
「一生の宝物ですね。これで僕はきっと、この先なにが大切なのか見失わずに済みます。必ずいつか……すべての心残りを片付けて帰ってきます。この地に」
「わあ……。こんな立派なものを……」
彼はそれを見て、目を輝かせながらゆっくりと指で摘まみだす。
箱に収まっていたのは、楯の形をした、エメラルドが中心にあしらわれた金のブローチ。
「レーフェルの街にあるお店に行って、皆で選んだの。お守りとして……あなたがここで皆を守っていてくれた証として、持っていてくれたら嬉しい。私が言えることでもないけど……でも、もしこの先も辛いことや迷うことあったら、ここへ帰ってきて。今度は私たちが精いっぱい、あなたのことを守るから」
「シルウィー様……」
「そうだ! 丁度いいから、お姉様に付けてもらいなさいな、ルシド!」
「ええっ⁉ い、いいのかな?」「もちろん!」
そんなテレサの鶴の一声もあって、私はおずおずと手渡されたブローチを、彼の上着の胸元に取りつけた。そこに宿るのは、希望や幸せを思わせる、生きてゆく意味を映し出すような柔らかな光。
「一生の宝物ですね。これで僕はきっと、この先なにが大切なのか見失わずに済みます。必ずいつか……すべての心残りを片付けて帰ってきます。この地に」