魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 そう約束すると彼は、私達それぞれに本物の家族みたいに温かな視線をくれた。

 そして――最後に。

「さようならシルウィー様。あなたはどんな人の隣に立っても見劣りしないくらい、とても素敵な女性です。だから……自分にもっと自信をもって」
「ありがと…………えっ?」

 そっと抱き寄せられた私の頬になにかが触れた。

 ルシドがこちらの肩をとんと突き放し、赤らめた頬を嬉しそうに引き上げた。私の背中を隣にいたスレイバート様がキャッチして、頭の上で軽い舌打ちを響かせる。

「今回だけは見なかったことにしてやるよ」
「ふふっ、いつかまた一緒にいるところを見せてください。それじゃ……行ってきます」

 後ろから声が掛けられ、彼は躊躇いなく駆け出すと曳かれてきた馬に、見事な身のこなしで跨る。
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