魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
薄々とは気付いていた。シルウィーが城を出る決心をさせたのは、俺への配慮だと言うことを――。
でも俺は、それがこちらの都合によいと見て、ろくに話もせず遠ざけた。そして次第に仲が拗れ、気持ちが離れていくのを正当化しようとしたんだ。
『シルウィー様は、いつだってスレイバート様のことを気にしていた! 僕はそんなあなたが羨ましくて仕方がなかったのに……いつまでこうして情けない姿を見せ続けるつもりなんだ! 僕の先を歩くのなら、強いままで……憧れさせたままでいてくださいよ!』
顔を涙で歪めたルシドの顔を真正面に見据え、俺はこいつに気持ちで負けていたんだなと、そう感じた。ずっと後ろを着いて来るだけだと思ったのに、心の強さでは、とうに追い抜かされていたのだ。
(俺は、怖かったんだ。こいつらが傷付いて、自分が後悔するのが……)
生きる上で、知らなければよかったこともあるというのは確かだ。
人の能力には限界がある。できないことはできないし、それで失敗すれば、その経験は大きく心を竦ませ、弱くする。俺にとっては、この身に降りかかった呪いがまさにそうだった。だから俺は……あいつらがいつか立ちはだかる壁を見て苦しみ絶望する前に、なんとかして正しい道を選ばせてやらなきゃならないなんて、傲慢なことを考えてたんだ。
でも俺は、それがこちらの都合によいと見て、ろくに話もせず遠ざけた。そして次第に仲が拗れ、気持ちが離れていくのを正当化しようとしたんだ。
『シルウィー様は、いつだってスレイバート様のことを気にしていた! 僕はそんなあなたが羨ましくて仕方がなかったのに……いつまでこうして情けない姿を見せ続けるつもりなんだ! 僕の先を歩くのなら、強いままで……憧れさせたままでいてくださいよ!』
顔を涙で歪めたルシドの顔を真正面に見据え、俺はこいつに気持ちで負けていたんだなと、そう感じた。ずっと後ろを着いて来るだけだと思ったのに、心の強さでは、とうに追い抜かされていたのだ。
(俺は、怖かったんだ。こいつらが傷付いて、自分が後悔するのが……)
生きる上で、知らなければよかったこともあるというのは確かだ。
人の能力には限界がある。できないことはできないし、それで失敗すれば、その経験は大きく心を竦ませ、弱くする。俺にとっては、この身に降りかかった呪いがまさにそうだった。だから俺は……あいつらがいつか立ちはだかる壁を見て苦しみ絶望する前に、なんとかして正しい道を選ばせてやらなきゃならないなんて、傲慢なことを考えてたんだ。