魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
そんな動揺が伝わったのか、あちらも……やや緊張気味に声を震わせて言った。
「あ、あの……! もしよかったら、ご一緒に、朝食でもいかがかと、そう思いまして」
不安げに声のトーンを落としながら、それでも誘ってくれるその心遣いが嬉しくて……。でもって俺は後ろから妙に生暖かい視線を感じた気がして一度振り返ったが、そこには変わらず真面目そうなクラウスの姿があるだけだ。
特に見られてはいないよなと気にしつつも、なんとか冷静さを保ち短く答えた。
「ん……行くか」
扉を閉め、彼女が乗せやすいように肘を突き出すと、躊躇うように小さな手が内側を掴む。でも、その時見せた健気な微笑みに、ルシドがいなくなって気落ちした俺達への気遣いを感じ取り、自然と口元が綻んだ。
(幸せにしてやりて―な……)
「え……なんでしょう?」
そんな気持ちが微かに口から漏れてしまい、キョトンとした彼女に、俺は慌てて誤魔化しの台詞を口走る。
「あ、いや……短くした髪も、案外似合ってると思ってな」
「そうですか……? よかった」
「あ、あの……! もしよかったら、ご一緒に、朝食でもいかがかと、そう思いまして」
不安げに声のトーンを落としながら、それでも誘ってくれるその心遣いが嬉しくて……。でもって俺は後ろから妙に生暖かい視線を感じた気がして一度振り返ったが、そこには変わらず真面目そうなクラウスの姿があるだけだ。
特に見られてはいないよなと気にしつつも、なんとか冷静さを保ち短く答えた。
「ん……行くか」
扉を閉め、彼女が乗せやすいように肘を突き出すと、躊躇うように小さな手が内側を掴む。でも、その時見せた健気な微笑みに、ルシドがいなくなって気落ちした俺達への気遣いを感じ取り、自然と口元が綻んだ。
(幸せにしてやりて―な……)
「え……なんでしょう?」
そんな気持ちが微かに口から漏れてしまい、キョトンとした彼女に、俺は慌てて誤魔化しの台詞を口走る。
「あ、いや……短くした髪も、案外似合ってると思ってな」
「そうですか……? よかった」