魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
私がおずおずとお伺いと立てると、スレイバート様は腰に手を当て軽く苦笑して、テレサの提案を認めてくれた。
「好きにしろよ。ただし、ちゃんと覚えるつもりがあるんなら、後で感覚の復習だけはしておけよ。知ってるだろうが、魔法の習得にはなによりイメージが大事。さすが実家で長年修行してきただけあって覚えは早いが、それでも自在に使いこなすには年単位の修業が必要だ。地道な努力を忘れずにな」
「ありがとうございました!」という感謝の言葉を背に受け、彼は軽く手を振りながら去ってゆく。多忙なスレイバート様を、こんなままごとみたいな練習に付き合わせるのは申し訳ないけれど、これは彼の方から勧めてくれたことでもある。
そんな兄の後姿を見て、テレサは忍び笑いを漏らした。
「ふふふ……お兄様ったら。余裕ぶってますけど、本当はお姉様とこうして同じ時間を過ごすために、色々工夫をしてるんですよ。でもそれを考えるのも楽しいみたいで……」
「そ、そうなんだ……」
「さ、行きましょうか! こちらです」
手を繋いだテレサから、彼が私を気遣ってくれていることをそれとなく指摘され、なんだかんだ嬉しくないわけでもなく……。
わずかに顔に血の気が巡ってきた私は、空いた方の手でぱたぱたと自分を扇ぎ、春の匂いがする空気で顔を懸命に冷やしだした。
「好きにしろよ。ただし、ちゃんと覚えるつもりがあるんなら、後で感覚の復習だけはしておけよ。知ってるだろうが、魔法の習得にはなによりイメージが大事。さすが実家で長年修行してきただけあって覚えは早いが、それでも自在に使いこなすには年単位の修業が必要だ。地道な努力を忘れずにな」
「ありがとうございました!」という感謝の言葉を背に受け、彼は軽く手を振りながら去ってゆく。多忙なスレイバート様を、こんなままごとみたいな練習に付き合わせるのは申し訳ないけれど、これは彼の方から勧めてくれたことでもある。
そんな兄の後姿を見て、テレサは忍び笑いを漏らした。
「ふふふ……お兄様ったら。余裕ぶってますけど、本当はお姉様とこうして同じ時間を過ごすために、色々工夫をしてるんですよ。でもそれを考えるのも楽しいみたいで……」
「そ、そうなんだ……」
「さ、行きましょうか! こちらです」
手を繋いだテレサから、彼が私を気遣ってくれていることをそれとなく指摘され、なんだかんだ嬉しくないわけでもなく……。
わずかに顔に血の気が巡ってきた私は、空いた方の手でぱたぱたと自分を扇ぎ、春の匂いがする空気で顔を懸命に冷やしだした。