魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「――お姉様!?」
「……え? な、なあに?」
我に返ると、いつの間に立ち止まっていたのか……目の前には可愛らしく頬を膨らませたテレサの顔がある。ぼんやりとしていた間に何度も話しかけてくれていたのだろう。
「もう~……せっかく一緒にいるんですから、そんな時ぐらい私に構ってくださらないと」
「ご、ごめんね。つい、色んなことを思い返すくせがついちゃって」
「そうですね……確かに、こちらに来てから騒ぎが絶えなかったですもの」
私が素直に詫びるとテレサはやや瞳を俯かせ、一抹の寂しさを表情に過ぎらせてみせた。
現在、このボースウィン城には大勢の住民が戻って来て活気に溢れている。ほんの数ヶ月前まではスレイバート様とテレサを中心とした数十名の人員しか残っていなかったことを考えれると、目覚ましい復興ぶりだ。廃墟になりかけていた名残はとうになく、どこを見ても当時の侘しさなど感じない。
ただ……戻ってくる人もいれば、去ってゆく人もいる。
人気の消えたボースウィン城に留まってまで、彼らボースウィン兄妹に忠誠を尽くしてくれていた、優しき青年騎士ルシド。
その陰が、ちらりとテレサの金の瞳に浮かんだ気がして、私は握られていた手を両手で包み込む。
「……え? な、なあに?」
我に返ると、いつの間に立ち止まっていたのか……目の前には可愛らしく頬を膨らませたテレサの顔がある。ぼんやりとしていた間に何度も話しかけてくれていたのだろう。
「もう~……せっかく一緒にいるんですから、そんな時ぐらい私に構ってくださらないと」
「ご、ごめんね。つい、色んなことを思い返すくせがついちゃって」
「そうですね……確かに、こちらに来てから騒ぎが絶えなかったですもの」
私が素直に詫びるとテレサはやや瞳を俯かせ、一抹の寂しさを表情に過ぎらせてみせた。
現在、このボースウィン城には大勢の住民が戻って来て活気に溢れている。ほんの数ヶ月前まではスレイバート様とテレサを中心とした数十名の人員しか残っていなかったことを考えれると、目覚ましい復興ぶりだ。廃墟になりかけていた名残はとうになく、どこを見ても当時の侘しさなど感じない。
ただ……戻ってくる人もいれば、去ってゆく人もいる。
人気の消えたボースウィン城に留まってまで、彼らボースウィン兄妹に忠誠を尽くしてくれていた、優しき青年騎士ルシド。
その陰が、ちらりとテレサの金の瞳に浮かんだ気がして、私は握られていた手を両手で包み込む。