魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 そして、彼女がやっていたのの真似をして、生命力への変換を試みてみた。

「ゆっくりでいいんですのよ……ゆっくり。空気や光……私たちがこの自然から受け取っている形のないものを、魔力と混ぜ合わせ、誰かに贈るイメージ……」
「うん……」

 最初からできるとは思っていない。

 でも……隣でテレサが実演してくれるのを見ていたら、イメージだけはなんとなく掴めてくる気がした。

 私たちの身体で魔力という見えない力が流れているのと同じように……。生命体はきっと生きているだけでも、世界から貰ったたくさんのものをもとになんらかの力を作り出し、活用している。
 生命を維持稼働し、時には守るための……今もこの身体を巡る温かなエネルギー。身体中に点在し、自在に形を変える極小の命の源の粒を、私はイメージする――。

「……あっ」

 いつしか――私の手には、テレサの表すものよりは遥かに小さくとも……砂金のような粒々がいくつも輝いていた。
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