魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 かくしてようやく、長年の謎が解けた私だったが、それはそれで別の悩みが生じてしまった。暗い幼少期の話でげんなりとさせてしまった彼らに、私は話題の変更も兼ねて、次の疑問を投げかける。

「でも私……来年までここにいられるんでしょうか? だって、もう婚約は解消するんですし……しますよね?」

 スレイバート様はこれから自身を公私ともに支える素晴らしいパートナーを見つけ出さなければならないはず。

 なのにもし、城でよくわからない立場の女がうろついて、彼にべたべた纏わりついていたら堪らないどころの話じゃないだろう。
 私としても、スレイバート様がせっかく掴もうとしている幸せに水を差すようなことはしたくない。

「ですから、今お仕事でいただいているお金が貯まったら、あのお店を再建して一からやり直そうかなと思っているんですけど……」

 現在私は、魔法修行の傍ら、暇を見てある作業に取り組んでいる。
 城内の人から使わない魔力を分けてもらって、最近ネプティル商会がお城に運びこんでくれている廃棄予定の魔石へせっせと魔力を充填しているのだ。

 そして……それをどこかで使う予定があるのか、スレイバート様は所定の金額で買い取って倉庫に備蓄しているらしい。それはもう膨大な量になりつつあり、私の手元の資産も使い切れないほどに膨れ上がりつつある。
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