魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
ずっと誰かに守られているばかりでは、ひとりの大人としてあまりにも情けない。知る限り最強の魔法士である彼に実力を認めさせるのは並大抵のことじゃないけれど、弱音を吐くのは頑張ってみてからだ。
強くなるという目標ができ張り切って目の前の仕事を進め出す私に、一方のスレイバート様はというと――
(ま~たなんか、余計なこと考えてんじゃねーだろうな……)
心なしか冷めた雰囲気を背中から醸し出したまま、妙に長い時間こちらを疑わしそうに見つめ続けているのだった。
◆
「――ふふっ……お姉様にお仕事に付いてきていただけるなんて、なんて素敵な一日なんでしょう」
「ごめんね。なるべく邪魔はしないようにするから……」
馬車の隣り合う席で、こちらの肩にこてんと頭を預ける可愛らしいテレサに微笑みかけながら……。
今の私は彼女の一挙一動を見落とすまいと、真剣に目を光らせていた――。
あの日から――テレサの誕生日という直近に予定された大イベントを前に、とかく私の頭の中はそのことで占有された。
強くなるという目標ができ張り切って目の前の仕事を進め出す私に、一方のスレイバート様はというと――
(ま~たなんか、余計なこと考えてんじゃねーだろうな……)
心なしか冷めた雰囲気を背中から醸し出したまま、妙に長い時間こちらを疑わしそうに見つめ続けているのだった。
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「――ふふっ……お姉様にお仕事に付いてきていただけるなんて、なんて素敵な一日なんでしょう」
「ごめんね。なるべく邪魔はしないようにするから……」
馬車の隣り合う席で、こちらの肩にこてんと頭を預ける可愛らしいテレサに微笑みかけながら……。
今の私は彼女の一挙一動を見落とすまいと、真剣に目を光らせていた――。
あの日から――テレサの誕生日という直近に予定された大イベントを前に、とかく私の頭の中はそのことで占有された。