魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
スレイバート様から受けた説明と、城内の人々から得た情報を総合したところ……テレサの誕生を祝うのに欠かせないものは主に三つ。出生を祝ってくれる親しい人々に、ケーキをメインとしたご馳走の数々、そして彼女への心の籠ったプレゼント。
うち参加者の選定はクラウスさんのお仕事だし、料理に関してはお城のシェフが遺憾なくその腕前を披露してくれるであろうため、私の出番などない。
となると――テレサに喜んでもらうために私が努力できるのは、プレゼントのことだけだ。
彼女はこの領地に来て心細かった私を初めて受け入れてくれた恩人でもあるのだから、今までの感謝を伝えられるような、特別な贈り物を用意したいところ。だというのに……。
(どうしよう……私ってプレゼントらしいプレゼントをしたことが、ほとんどないわ)
幼少期から自由に使えるお金や、自分で物を買う機会のなかった私のことだ。お金の使い方というのがまるで分かっていない。レーフェルの街でも、ルシドに市場に連れて行ったときに、怪しげな露店で妙に高い壺をころりと騙され買わされそうになったことがある(その壺はちょっと持っただけで取っ手やふちが欠けるように細工され、壊したと文句を付け、お金を払わせるのが常套手段だった。その時はルシドが庇ってくれて事なきを得た)。
そんな間抜けな私だから、当然テレサがどんなものを欲しがるのか見当もつかない。
うち参加者の選定はクラウスさんのお仕事だし、料理に関してはお城のシェフが遺憾なくその腕前を披露してくれるであろうため、私の出番などない。
となると――テレサに喜んでもらうために私が努力できるのは、プレゼントのことだけだ。
彼女はこの領地に来て心細かった私を初めて受け入れてくれた恩人でもあるのだから、今までの感謝を伝えられるような、特別な贈り物を用意したいところ。だというのに……。
(どうしよう……私ってプレゼントらしいプレゼントをしたことが、ほとんどないわ)
幼少期から自由に使えるお金や、自分で物を買う機会のなかった私のことだ。お金の使い方というのがまるで分かっていない。レーフェルの街でも、ルシドに市場に連れて行ったときに、怪しげな露店で妙に高い壺をころりと騙され買わされそうになったことがある(その壺はちょっと持っただけで取っ手やふちが欠けるように細工され、壊したと文句を付け、お金を払わせるのが常套手段だった。その時はルシドが庇ってくれて事なきを得た)。
そんな間抜けな私だから、当然テレサがどんなものを欲しがるのか見当もつかない。