魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
それは禁句だったのか、彼女がそう尋ねるなり院長はぷりぷりと怒りだしてしまう。
「聞いていただけますかしら、あの方たちったらまったくもう! この街に来てくれたはいいけれど、霊杖の調子が悪いだなんて言い訳して、ろくに治療もしないですぐに帰ってしまったんですよ! たとえ魔法が使えなくとも、包帯を巻いたり薬を塗ったり、できることくらいはいくらでもあるでしょうに!」
「あらあら……」
そんな事情に私たちは苦笑いするしかない。引く手数多の精霊教会だから、たまにはこういった不備もあるのだろう。
ちなみに霊杖というのは、教会員が治療に使う魔道具のこと。
いかに聖属性の魔力を備えている人たちだといっても、教会員全員がテレサのように治癒の魔法を使いこなせるわけではない。むしろその割合は非常に少なく、なので下っ端教会員たちはほとんどが、聖属性魔力の込められた治癒魔力を増幅する杖を持ち歩くことになる。
そんな大事な道具の管理を怠るのは怠慢だと思われても仕方がなく、院長はさんざん愚痴をこぼした後、私達を患者たちの待つ診察室へと案内していった。
「では、お姉様。少しばかり私の魔力をお分けしておきます。院長様にも、お姉様が軽い治療ならこなせることを伝えておきましたから、無理ない程度に頑張ってくださいね」
「う、うん……そっちも」
「聞いていただけますかしら、あの方たちったらまったくもう! この街に来てくれたはいいけれど、霊杖の調子が悪いだなんて言い訳して、ろくに治療もしないですぐに帰ってしまったんですよ! たとえ魔法が使えなくとも、包帯を巻いたり薬を塗ったり、できることくらいはいくらでもあるでしょうに!」
「あらあら……」
そんな事情に私たちは苦笑いするしかない。引く手数多の精霊教会だから、たまにはこういった不備もあるのだろう。
ちなみに霊杖というのは、教会員が治療に使う魔道具のこと。
いかに聖属性の魔力を備えている人たちだといっても、教会員全員がテレサのように治癒の魔法を使いこなせるわけではない。むしろその割合は非常に少なく、なので下っ端教会員たちはほとんどが、聖属性魔力の込められた治癒魔力を増幅する杖を持ち歩くことになる。
そんな大事な道具の管理を怠るのは怠慢だと思われても仕方がなく、院長はさんざん愚痴をこぼした後、私達を患者たちの待つ診察室へと案内していった。
「では、お姉様。少しばかり私の魔力をお分けしておきます。院長様にも、お姉様が軽い治療ならこなせることを伝えておきましたから、無理ない程度に頑張ってくださいね」
「う、うん……そっちも」