魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
両手で包んだ手のひらから魔力を受け取ると、私は重篤な怪我人の待つ場所に去りゆくテレサの後姿を眺めた。きっとこれから彼女はたくさんの深い傷や治療の苦痛と対面するのだろうが、その横顔に恐れはなく……これが日々培っていった、公爵令嬢としての覚悟の賜物なのだと感心した。
私もあやからねばと深く息を吸って気合を入れ、別室で魔物の襲撃により軽い擦り傷や火傷などを負った患者たちを迎え入れる。最初に現れたのは、子連れの母親で、逃げる途中に膝を擦り剥いたようだ。
「すみません……瓦礫に足が引っ掛かって」
「おねえちゃん見て、ここ。お母さん、こけた時に石で切っちゃったの……なおしてくれる?」
「うん、ちょっと待っててね」
私は習った通りに消毒液で患部を拭うと、静かに両手を翳す。
覚えたての魔法だけれど、皮膚表面の傷や痛みの鎮静化くらいなら、私にもなんとか……。
こんな浅い傷でもじくじくと血で滲んでいるのを見るだけでも痛そう。でもテレサはもっと大変な患者さんを相手しているのだと、自分を鼓舞し懸命に集中する。魔力より生み出した生命力の光を、傷口に当て、じっくりと再生を待つ。
私もあやからねばと深く息を吸って気合を入れ、別室で魔物の襲撃により軽い擦り傷や火傷などを負った患者たちを迎え入れる。最初に現れたのは、子連れの母親で、逃げる途中に膝を擦り剥いたようだ。
「すみません……瓦礫に足が引っ掛かって」
「おねえちゃん見て、ここ。お母さん、こけた時に石で切っちゃったの……なおしてくれる?」
「うん、ちょっと待っててね」
私は習った通りに消毒液で患部を拭うと、静かに両手を翳す。
覚えたての魔法だけれど、皮膚表面の傷や痛みの鎮静化くらいなら、私にもなんとか……。
こんな浅い傷でもじくじくと血で滲んでいるのを見るだけでも痛そう。でもテレサはもっと大変な患者さんを相手しているのだと、自分を鼓舞し懸命に集中する。魔力より生み出した生命力の光を、傷口に当て、じっくりと再生を待つ。