魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「どうぞ。見て学ぶのも、私たち治癒魔法士にとっては大切な経験ですから。でしたら、浮かんできた汗を拭っていただいてもいいですか? 目に入ると集中の妨げになるので」
「うん、できることがあったら何でも言って」
私はさっそくテレサの隣に進み出ると、渡された清潔なタオルを、魔法での治療を再開した彼女の額に適宜当てていく。
次の患者は魔物に肩を噛みつかれたようで、いくつも残る牙の跡とそこから流れ出る血が痛々しい。思わず目を逸らしたくなるけれど、私もこれからテレサと共にこの領地に少しでも貢献してゆくんだと……そんな想いが勝り、なんとかその場に踏み止まることができた。
そんな私たちの姿を見届けてか、そっとクラウスさんが後ろのドアを開けて離れていく。
(すごいよ、テレサ。皆があなたのことを頼りにしてるんだね……)
こんな私の両腕でも包み込めてしまえそうな、細く華奢な身体だけれど、でも確かに彼女は今、ボースウィン領の未来を担っている。
そんな彼女の側にいられることが幸運で、ただただ誇らしくて……。
「うん、できることがあったら何でも言って」
私はさっそくテレサの隣に進み出ると、渡された清潔なタオルを、魔法での治療を再開した彼女の額に適宜当てていく。
次の患者は魔物に肩を噛みつかれたようで、いくつも残る牙の跡とそこから流れ出る血が痛々しい。思わず目を逸らしたくなるけれど、私もこれからテレサと共にこの領地に少しでも貢献してゆくんだと……そんな想いが勝り、なんとかその場に踏み止まることができた。
そんな私たちの姿を見届けてか、そっとクラウスさんが後ろのドアを開けて離れていく。
(すごいよ、テレサ。皆があなたのことを頼りにしてるんだね……)
こんな私の両腕でも包み込めてしまえそうな、細く華奢な身体だけれど、でも確かに彼女は今、ボースウィン領の未来を担っている。
そんな彼女の側にいられることが幸運で、ただただ誇らしくて……。