魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
にしてもてっきり、形だけの帯剣かと思っていたけど……クラウスさんの姿は存外様になっていて、扱う剣も業物っぽい凄味がある。
それでも相手は魔法士だ。未だ不安が拭えない私に、テレサは憂うことなく言い切った。
「必要ありません。お姉様でしたら、こんな話をご存じではないでしょうか。一般人にも、魔法を使えるほどではないにしろ、微弱な魔力が流れていると……」
「そんな話今してる暇は――」
そうこうしているうちに赤髪の青年は身体を強い魔力で覆い、恐ろしいスピードでクラウスさんに肉薄する。霞むような速度でその拳が振り下ろされ、惨劇の予感に身体が竦む。
「――――オラッ!」
(危ないっ……!)
次の瞬間、私は地面に倒れ込むクラウスさんの姿を見た――
「ぐ……はっ」
それでも相手は魔法士だ。未だ不安が拭えない私に、テレサは憂うことなく言い切った。
「必要ありません。お姉様でしたら、こんな話をご存じではないでしょうか。一般人にも、魔法を使えるほどではないにしろ、微弱な魔力が流れていると……」
「そんな話今してる暇は――」
そうこうしているうちに赤髪の青年は身体を強い魔力で覆い、恐ろしいスピードでクラウスさんに肉薄する。霞むような速度でその拳が振り下ろされ、惨劇の予感に身体が竦む。
「――――オラッ!」
(危ないっ……!)
次の瞬間、私は地面に倒れ込むクラウスさんの姿を見た――
「ぐ……はっ」