魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「いけませんねえ。年上と淑女に先を譲るのはマナーでしょ。短気な男は女性に嫌われますよ」
と思ったが――逆、だった。
舞い散る砂埃が晴れた後、地面にのたうっていたのは、赤髪の青年の方。
それを余裕綽々のていで見下ろすクラウスさんがいったいなにをしたのか――いや、なにかをした、ということさえ認識できなかった。立ち位置すら変わっていない。
「っぐ……こんな、まぐれ程度でいい気になるなっ!」
ばっと身体を引き起こした青年が、二度三度と攻撃を仕掛けるが……。
「すぐにおかわりとは活きがいい。やはりそのくらいでなくてはね」
次も、その次も結果は同じ。テレサの涼やかな声が耳を揺さぶる。
「戦闘を生業とする魔法戦士たちは、通称身体強化術――身に宿る魔力で身体を強化して戦います。そうなれば、筋力、敏捷性、あらゆる面で常人が対抗する術はない。しかし魔力を変化させ、身体の外に放出する魔法と比べてこの力は、さほど魔力を必要としません。つまり……魔法が使えなくても、使える場合がある」
「それって――」
と思ったが――逆、だった。
舞い散る砂埃が晴れた後、地面にのたうっていたのは、赤髪の青年の方。
それを余裕綽々のていで見下ろすクラウスさんがいったいなにをしたのか――いや、なにかをした、ということさえ認識できなかった。立ち位置すら変わっていない。
「っぐ……こんな、まぐれ程度でいい気になるなっ!」
ばっと身体を引き起こした青年が、二度三度と攻撃を仕掛けるが……。
「すぐにおかわりとは活きがいい。やはりそのくらいでなくてはね」
次も、その次も結果は同じ。テレサの涼やかな声が耳を揺さぶる。
「戦闘を生業とする魔法戦士たちは、通称身体強化術――身に宿る魔力で身体を強化して戦います。そうなれば、筋力、敏捷性、あらゆる面で常人が対抗する術はない。しかし魔力を変化させ、身体の外に放出する魔法と比べてこの力は、さほど魔力を必要としません。つまり……魔法が使えなくても、使える場合がある」
「それって――」