魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「…………あ、あの! お、お加減はいかがですか?」

 さすがに気まずくなった私は、当たり障りのない質問を口に出したのだが、彼はというと。

「くっ……」
「えっ?」

 バカにしたように小さく噴き出した。

「こんな小娘が待ち望んでいたあの女の子どもだとはな」

 そして彼は、ずいぶんな言いように呆気に取られ間抜け顔を(さら)す私を見つめたまま、ゆっくりとベッドから降り立つ。

「スレイバート様、目覚められたばかりでご無理なさっては……」
「うるせえ」

 制止するルシドを振り払い、ふらついた足取りでスレイバート様は私の方へと向かってきた。
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