魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
現に彼はここまできても、私への殺意を失っていない。そうせざるを得ない理由がどこかに――リュドベルク領で、いったいなにが起きているの……?
「事情を聞かせてください! このままじゃあなたは一生牢屋に囚われたままです。大事な人とも会えなくなるんですよ……!」
「うるせえ、自分のことなんざどうだっていい!」
「よくありません!」
私は確信して声を荒げた。やはり、自らの危険と引き換えにしてまでこんなことをしでかすのは、彼にそれ以上に大切な目的があるからだ。
そしてそれは物や功績なんかじゃなく、きっと守るべき誰かに決まっている。死後の世界にお金や名声を持って行くことなど、何人たりともできやしないのだから。
「あなたがもし、本当に守りたい人がいるのなら……自暴自棄にならずになにがあったのかを聞かせて欲しいって言ってるんです! このままじゃなにも解決しない! 私は、あなたのために死んであげることはできません。でも……もしかしたら私たちの力で、あなたの大切な誰かを救うことができるかも知れないでしょう?」
「ぐ……っ!」
その考えは、どうやら間違ってはいなかった。先程と違い大きく葛藤するラルフさんの瞳は、縋るべきものを探しているようにも見えた。
「事情を聞かせてください! このままじゃあなたは一生牢屋に囚われたままです。大事な人とも会えなくなるんですよ……!」
「うるせえ、自分のことなんざどうだっていい!」
「よくありません!」
私は確信して声を荒げた。やはり、自らの危険と引き換えにしてまでこんなことをしでかすのは、彼にそれ以上に大切な目的があるからだ。
そしてそれは物や功績なんかじゃなく、きっと守るべき誰かに決まっている。死後の世界にお金や名声を持って行くことなど、何人たりともできやしないのだから。
「あなたがもし、本当に守りたい人がいるのなら……自暴自棄にならずになにがあったのかを聞かせて欲しいって言ってるんです! このままじゃなにも解決しない! 私は、あなたのために死んであげることはできません。でも……もしかしたら私たちの力で、あなたの大切な誰かを救うことができるかも知れないでしょう?」
「ぐ……っ!」
その考えは、どうやら間違ってはいなかった。先程と違い大きく葛藤するラルフさんの瞳は、縋るべきものを探しているようにも見えた。