魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
『うふふ……もう後数年もすれば、いいのが一匹育ちますので。なんでもどこかの貴族の子どもらしくて……』
なにせ、成人手前まで大きくなったやつもいつの間にかいなくなってて、そういう時に限って院長が建物の裏手で怪しい男と金の話をしてたからな。次はどいつか――って。
だが……そんな日々もある日突然終わりを告げた。
数を数えられるようになって、四、五回目にやってきた、夏の暑い日のことだった。
小屋の中で黴かけたパンと生温い水だけを与えられて、それでも今年こそは誰もいなくならねえようにと精霊に祈ってたら、外で騒がしい音がしてさ。
オレたちはよくないことが起こりそうで、ひとところに固まって震えてた。その後、院長の悲鳴と、鍵が壊されるひでえ音がして。
扉が大きく開け放たれて、陽の光が射しこんで――物々しい甲冑姿のおっさんが入り込んできて、殺されるかと思ったよ。
でも……その日やっと、オレはこのろくでもねえ世界から連れ出されることになったんだ――。
後から聞いた話じゃ、孤児院を開いてた奴らは全員とっ掴まって牢屋に入れられ、そこに赴任した新しい院長により施設の状態は急速に改善されちまったってことだ。
なにせ、成人手前まで大きくなったやつもいつの間にかいなくなってて、そういう時に限って院長が建物の裏手で怪しい男と金の話をしてたからな。次はどいつか――って。
だが……そんな日々もある日突然終わりを告げた。
数を数えられるようになって、四、五回目にやってきた、夏の暑い日のことだった。
小屋の中で黴かけたパンと生温い水だけを与えられて、それでも今年こそは誰もいなくならねえようにと精霊に祈ってたら、外で騒がしい音がしてさ。
オレたちはよくないことが起こりそうで、ひとところに固まって震えてた。その後、院長の悲鳴と、鍵が壊されるひでえ音がして。
扉が大きく開け放たれて、陽の光が射しこんで――物々しい甲冑姿のおっさんが入り込んできて、殺されるかと思ったよ。
でも……その日やっと、オレはこのろくでもねえ世界から連れ出されることになったんだ――。
後から聞いた話じゃ、孤児院を開いてた奴らは全員とっ掴まって牢屋に入れられ、そこに赴任した新しい院長により施設の状態は急速に改善されちまったってことだ。