魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
マナーもへったくれもねえような環境で生活してきたこの俺だ。家庭教師どもは、ゴミを見るような目で見下してきやがるし、親父や兄貴もとことん厳しく俺をしつけた。んなことされてもよ、生まれて十年以上、手づかみで飯を食ってたような人間が急にナイフだのフォークだの器用に使いこなせるかってんだ……!
ちなみに母親も、赤子を奪われた心労が祟って、割とすぐに亡くなっちまったとかで、オレは当然のごとく城の中で孤立した。
厳めしい親父に説教を食らいながら、あんたがこんなところに連れてくるからこうなったんだろうが、と心の中でいつも恨み言を呟いてた。食わせてもらってる恩だけは感じてたから、黙っちゃいたけど、な。
でも……そんなオレにもひとつだけいいことがあった。
それはここに来て出来た、小さな妹の存在。
カヤという、新しい親父の末の娘……そいつだけが、オレに懐いてくれた。
オレが城に来た当時、まだ立って歩くことも満足にできなかったカヤは、生まれた頃から病弱で忙しい大人たちに放置されがちだった。彼女の部屋はいつも静かで、オレが厄介な家庭教師たちから身を隠すのに、格好の隠れ家になったってわけだ。
そうして入り浸るうちに、孤児院で年少のやつらの世話を焼いていたことを思い出した。
ちなみに母親も、赤子を奪われた心労が祟って、割とすぐに亡くなっちまったとかで、オレは当然のごとく城の中で孤立した。
厳めしい親父に説教を食らいながら、あんたがこんなところに連れてくるからこうなったんだろうが、と心の中でいつも恨み言を呟いてた。食わせてもらってる恩だけは感じてたから、黙っちゃいたけど、な。
でも……そんなオレにもひとつだけいいことがあった。
それはここに来て出来た、小さな妹の存在。
カヤという、新しい親父の末の娘……そいつだけが、オレに懐いてくれた。
オレが城に来た当時、まだ立って歩くことも満足にできなかったカヤは、生まれた頃から病弱で忙しい大人たちに放置されがちだった。彼女の部屋はいつも静かで、オレが厄介な家庭教師たちから身を隠すのに、格好の隠れ家になったってわけだ。
そうして入り浸るうちに、孤児院で年少のやつらの世話を焼いていたことを思い出した。