魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
ずっと寝た切りの生活がようやく終わりかけたってのに、人生を楽しむでもなく、考えることがそんなことかとオレは半ば呆れてしまった。だが、地道に頑張り続けるこいつらしいとも同時に思い、オレは、そんな夢を応援してやろうと思った。
『ふ~ん……。じゃあ、お前が元気になって、ちゃんと勉強して一人前の薬師にでもなったら、オレが世界をあちこち連れ回してやるよ。親父や兄貴の言うことなんて知ったことか。文句を言うならこの拳でぶっ飛ばす。今は絶対に俺の方が強えんだからな!』
『本当!? でも怪我はさせちゃダメだからね。看てあげないといけない人が増えちゃう』
するとカヤは屈託なく笑い、オレに抱きついてくる。
それを見て誓ったんだ。こいつが望む限り側にいて、今まで動けなかった分を取り返せるくらいに、絶対に思う通りの生き方をさせてやるんだって。
――その、わずか一か月後だった……カヤが病に倒れたのは。
城の医者の誰にも原因は解明できず、これまでとは明らかに違う症状に戸惑うばかり。カヤは日に日に衰弱していき、胸元には奇妙な黒い痣まで浮かび始めた。
目を開けていられる時間すら少なくなる妹の側に一日中いながら、俺はなにもしてやることができない無力を嘆く。
『ふ~ん……。じゃあ、お前が元気になって、ちゃんと勉強して一人前の薬師にでもなったら、オレが世界をあちこち連れ回してやるよ。親父や兄貴の言うことなんて知ったことか。文句を言うならこの拳でぶっ飛ばす。今は絶対に俺の方が強えんだからな!』
『本当!? でも怪我はさせちゃダメだからね。看てあげないといけない人が増えちゃう』
するとカヤは屈託なく笑い、オレに抱きついてくる。
それを見て誓ったんだ。こいつが望む限り側にいて、今まで動けなかった分を取り返せるくらいに、絶対に思う通りの生き方をさせてやるんだって。
――その、わずか一か月後だった……カヤが病に倒れたのは。
城の医者の誰にも原因は解明できず、これまでとは明らかに違う症状に戸惑うばかり。カヤは日に日に衰弱していき、胸元には奇妙な黒い痣まで浮かび始めた。
目を開けていられる時間すら少なくなる妹の側に一日中いながら、俺はなにもしてやることができない無力を嘆く。