魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
『うむ、確かに聞き及んでいる。街に蔓延る瘴気を取り除き、人々の安寧を守っている徳高き女性だという話だな。ボースウィン公に相談して、密かにこちらへの来訪も検討してもらおうという話も上がっていたくらいだが……彼女についてなにかあるのかな?』
だが、次の言葉にオレたちは一斉に耳を疑う。
『彼女こそがご息女に呪いをかけた張本人なのです』
いったいなにがどうなっているのか分からず、広間の中は騒然とした。だが、女はそれに構わず痛ましそうに話を続けた。
『実は、ボースウィン領に蔓延っていたその瘴気は女の自作自演だったのです。ボースウィン領の窮状も、公爵様にかかっていた呪いも、すべてを裏で操作していたのはその聖女。領民たちの苦しみを利用して邪悪な力を溜め込んでいたことが発覚しそうになり、慌てて彼女はそれを解除してやることで、自分の功績に見せかけ、人々の尊敬を搔き集めたのですよ。そして次は、遠くの地にてもっとうまいやり方でおぞましい力を集め、この国に災厄をもたらそうとしているのです』
『ふ、ふざけんなっ!』
『ラルフ、勝手な行動は慎め!』
勢い余ってボースウィン公爵に直談判しに行こうとしたオレだったが、それは兄のエルハルトが止めた。その間に、いまだ冷静さを保つ親父のルーファウスが問いかける。
だが、次の言葉にオレたちは一斉に耳を疑う。
『彼女こそがご息女に呪いをかけた張本人なのです』
いったいなにがどうなっているのか分からず、広間の中は騒然とした。だが、女はそれに構わず痛ましそうに話を続けた。
『実は、ボースウィン領に蔓延っていたその瘴気は女の自作自演だったのです。ボースウィン領の窮状も、公爵様にかかっていた呪いも、すべてを裏で操作していたのはその聖女。領民たちの苦しみを利用して邪悪な力を溜め込んでいたことが発覚しそうになり、慌てて彼女はそれを解除してやることで、自分の功績に見せかけ、人々の尊敬を搔き集めたのですよ。そして次は、遠くの地にてもっとうまいやり方でおぞましい力を集め、この国に災厄をもたらそうとしているのです』
『ふ、ふざけんなっ!』
『ラルフ、勝手な行動は慎め!』
勢い余ってボースウィン公爵に直談判しに行こうとしたオレだったが、それは兄のエルハルトが止めた。その間に、いまだ冷静さを保つ親父のルーファウスが問いかける。