魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
『話は分かった。それで、カヤの呪いを解く方法とは……? まさか、貴殿がそれを解いてくれるとでもいうのかな?』

 そうだ……まずすべきことはそれだ。周りもオレも静まり返り、女の肯定を期待した。

 しかし、彼女は真横に首を振る。

『それは叶いません。強大な闇の力を操るあの女の呪いを解くことがいかに難しいか、これまで苦しんだあなた方もよくご存じでしょう。そして……その方法はもはや、ひとつしかない』

 そしてベリカと名乗ったローブの女は、言った。

『黒髪の聖女、シルウィーを殺すことです。そうしなければ、ご息女の命どころか、この領地をかつてない大きな災厄が包むでしょう――』

 それきり、オレたちは言葉を失ったが……敵の正体が分かったなら話が早い。

『おい親父、頼む! 俺をそいつの討伐隊の隊長に任命してくれ! 必ずそのあくどい女を倒し、妹の呪いを解かせてみせる!』
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