魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
そして親父はいくぶんか冷ややかになった視線で女を見つめた。
『ご忠告は感謝する。後で金一封を贈呈しよう。だが、この件は然るべき調査が必要となる。そしてもし、話に偽りあらば、そなたの身柄も無事ではないと心得よ』
親父の鋭い眼光を受けた女も、身じろぎもせず妖艶な笑みを浮かべて返す。
『存じております。しかし……聞いた話ではご息女の呪いはもはや、身体中に広がりを見せている様子。あまり、お時間はないものと心得られますよう……』
そう言い残し、黒いローブの女の後姿は、静かに広間から消えていった。
その後も俺は言い募ったが、親父は取り合おうともしなかった。決定に不満だったオレは、すぐさま兄の制止を振り切り、女の後を追うと、城門の手前でその背中に呼びかけたんだ。
『おいあんた……さっきの話、本当なんだな? その黒髪の聖女ってやつが、俺の妹に呪いを掛けたってのは……!』
するとくるりと振り返った女は、小さく頷く。フードの陰から女の白い顔の下半分と、耳に吊るされた赤いピアスが覗く。
『ご忠告は感謝する。後で金一封を贈呈しよう。だが、この件は然るべき調査が必要となる。そしてもし、話に偽りあらば、そなたの身柄も無事ではないと心得よ』
親父の鋭い眼光を受けた女も、身じろぎもせず妖艶な笑みを浮かべて返す。
『存じております。しかし……聞いた話ではご息女の呪いはもはや、身体中に広がりを見せている様子。あまり、お時間はないものと心得られますよう……』
そう言い残し、黒いローブの女の後姿は、静かに広間から消えていった。
その後も俺は言い募ったが、親父は取り合おうともしなかった。決定に不満だったオレは、すぐさま兄の制止を振り切り、女の後を追うと、城門の手前でその背中に呼びかけたんだ。
『おいあんた……さっきの話、本当なんだな? その黒髪の聖女ってやつが、俺の妹に呪いを掛けたってのは……!』
するとくるりと振り返った女は、小さく頷く。フードの陰から女の白い顔の下半分と、耳に吊るされた赤いピアスが覗く。