魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
普段皇宮を訪れることのないヴェロニカがそんなことを知る由もなく……。
彼女が首を傾げて続きを促すと、ディオニヒトは膝を強く打って吐き捨てた。
「魔石だよ! 私も後から知ったことだが……なんとそれらは、大量の魔力資源だったのだ! いくらボースウィン領が潤沢な魔石の採掘地をいくつも持つとはいえ、どこからあのような量を……。とにかく、やつは私が傷で臥せっている間に父を尋ね、それらを手土産に、我が名誉を傷つけたことを謝罪したと聞いた……」
ディオニヒトの頭に、先日その話を皇帝から耳にした時の記憶が浮かぶ――。
『――ち、父上、なぜなのです! これだけの狼藉を我が身に働いたのですよ! 帝国への逆臣として、やつを即刻誅すべきでしょう! ぜひ私に軍を指揮させ、やつの討伐をお命じください! あのスレイバートめは、捕えた上で必ずや私が処刑し、その身体は剥製として噴水の飾りにでもしてやりましょう!』
凍傷であちこちに包帯を巻いた姿で皇帝の元に押しかけたディオニヒト。
だが、その姿を見た皇帝はひとつ重たい溜め息を吐いた後、目の前の息子を罵った。
彼女が首を傾げて続きを促すと、ディオニヒトは膝を強く打って吐き捨てた。
「魔石だよ! 私も後から知ったことだが……なんとそれらは、大量の魔力資源だったのだ! いくらボースウィン領が潤沢な魔石の採掘地をいくつも持つとはいえ、どこからあのような量を……。とにかく、やつは私が傷で臥せっている間に父を尋ね、それらを手土産に、我が名誉を傷つけたことを謝罪したと聞いた……」
ディオニヒトの頭に、先日その話を皇帝から耳にした時の記憶が浮かぶ――。
『――ち、父上、なぜなのです! これだけの狼藉を我が身に働いたのですよ! 帝国への逆臣として、やつを即刻誅すべきでしょう! ぜひ私に軍を指揮させ、やつの討伐をお命じください! あのスレイバートめは、捕えた上で必ずや私が処刑し、その身体は剥製として噴水の飾りにでもしてやりましょう!』
凍傷であちこちに包帯を巻いた姿で皇帝の元に押しかけたディオニヒト。
だが、その姿を見た皇帝はひとつ重たい溜め息を吐いた後、目の前の息子を罵った。