魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
『加えてボースウィン公はセルベリア共和国に渡りを付け、同盟締結に向けての話し合いを進める交渉役を買って出おった。それが成れば、両国でベルージ王国を挟んで圧力をかけ、北方侵攻の大きな抑止力となるであろう。戦費の圧縮に、彼の国との貿易で得られる巨額の利益……。我が国の未来の国益を考えるならば、さらなる発展が期待されるあの地に、今余計な負担を与えることが最大の愚行であると、まだ分からんか?』
『し、しかし……』
『くどい!』
なおも口答えしようとするディオニヒトをぎろりと睨みつけると、皇帝は立ち上がり、血管の浮いた顔でディオニヒトを追い払う。
『ここまで諭してもわからぬとは……お前には今しばらくの再教育が必要なようだな! 他を圧倒する魔力と秀でた容姿を持つお前には大きく期待していたが、肝心の国家運営能力がお粗末なら話にならん! 来年には皇位を譲る準備をしておったが止めじゃ! 向こう数年、この栄えある帝国を維持していくためになにが必要か、机に齧りついて真剣に学び直すがいい!』
『そ、それだけは! 父上……父上ぇっ!』
数年前までの……地獄のような日夜の帝王学の指導を思い出し、ディオニヒトは這いつくばるようにして許しを乞うた。だが、それを皇帝は無視し、荒々しい態度のまま謁見の間を立ち去ってしまう。以後、申し開きの機会はなく、皇帝との対話は一度も許されていない。
『し、しかし……』
『くどい!』
なおも口答えしようとするディオニヒトをぎろりと睨みつけると、皇帝は立ち上がり、血管の浮いた顔でディオニヒトを追い払う。
『ここまで諭してもわからぬとは……お前には今しばらくの再教育が必要なようだな! 他を圧倒する魔力と秀でた容姿を持つお前には大きく期待していたが、肝心の国家運営能力がお粗末なら話にならん! 来年には皇位を譲る準備をしておったが止めじゃ! 向こう数年、この栄えある帝国を維持していくためになにが必要か、机に齧りついて真剣に学び直すがいい!』
『そ、それだけは! 父上……父上ぇっ!』
数年前までの……地獄のような日夜の帝王学の指導を思い出し、ディオニヒトは這いつくばるようにして許しを乞うた。だが、それを皇帝は無視し、荒々しい態度のまま謁見の間を立ち去ってしまう。以後、申し開きの機会はなく、皇帝との対話は一度も許されていない。