魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
『リュドベルク公ルーファウスと、息子のエルハルトが戦死した』
『な…………!』

 それを聞いたクラウスさんも生唾を呑み込んだ。広大な領地を治めていた大公爵たちの死去。それは……もはやあってはならない事態まで、状況が進行してしまっていることを意味している。

『まだ確定情報じゃねえが……生存は望み薄だ。わかったかよ、どうにかしねえと帝国自体が危なくなる。とにかく、情報の真偽を定め、なるべく多くの人間を助けねえとな……。自分の領だけがどうとか言ってられる場合じゃねえんだ。それには、魔法の力が必ず必要になる』

 クラウスさんの剣技は一対一なら絶大な力を発揮する……が、すでにそれが通用する状況ではないかもしれないのだと、スレイバート様は彼を諭す。

『くそっ……』

 クラウスさんは深刻な表情で数秒間目を閉じ……そして頷いた。
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