魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
掠れて聞き取れないくらいの小声で応えると、テレサは子どものように私の膝の上で顔を伏せた。私はというと、そんな彼女の緊張で冷え切った背中を撫でさすってやることくらいしかできない。
こんな状態の彼女を置いておけば、思い詰めてどんな行動を取るか分からない。まだ目の届く場所に置いておいた方がましだとスレイバート様が判断したのも、やむを得ないことだと思った。
「スレイバート様……その、ごめんなさい」
「なにがだよ」
彼の苛立ちも至極当たり前だ。領地やエルマ様の件だけでなく……本来彼の味方であるべき私までがこうして、お荷物になってしまっているのだから。だとしても……余計な心労をかけるばかりで申し訳ないけれど、やはり今引き返せと言われても、私はこのまま素直にボースウィン城に戻ることはできそうにない。
くくくっ……とくぐもった笑いが後ろで響いた。
「ちくしょう……親父も兄貴も死んだ……ならどうせもう、カヤも生きちゃいない。くだらねぇ……あんたらも無駄なことしてないで、とっとと尻まくって自分の領地に戻ったらどうなんだ」
「おいてめー。その不快な口を閉じろ」
こんな状態の彼女を置いておけば、思い詰めてどんな行動を取るか分からない。まだ目の届く場所に置いておいた方がましだとスレイバート様が判断したのも、やむを得ないことだと思った。
「スレイバート様……その、ごめんなさい」
「なにがだよ」
彼の苛立ちも至極当たり前だ。領地やエルマ様の件だけでなく……本来彼の味方であるべき私までがこうして、お荷物になってしまっているのだから。だとしても……余計な心労をかけるばかりで申し訳ないけれど、やはり今引き返せと言われても、私はこのまま素直にボースウィン城に戻ることはできそうにない。
くくくっ……とくぐもった笑いが後ろで響いた。
「ちくしょう……親父も兄貴も死んだ……ならどうせもう、カヤも生きちゃいない。くだらねぇ……あんたらも無駄なことしてないで、とっとと尻まくって自分の領地に戻ったらどうなんだ」
「おいてめー。その不快な口を閉じろ」