魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「情報の行き違いがあったみてーだな。彼だけでも生きていてなによりだが……」
すぐにその目が悼むように細められた。彼は先程の演説ではっきりと言っていた。悲しいことに、リュドベルク公がお亡くなりになったのは間違いではないらしい。
――ガツッと、いきなり目の前で鈍い音が響いた。
「ラルフッ……貴様、今さらなにをしに戻って来た! 孤児として貧しい生活を送らされたのは当家の手違いとはいえ……そんなお前を見つけ出し、貴族として振舞えるよう育ててくださった父上と、城になんの恩義も感じていなかったのか!」
「ぐっ……うるせえ! 兄貴こそ、結局なにも守れず親父に庇われてこんな領境の街まで逃げ込んで来たんだろうが! んなことより、城は……カヤはどうなったんだよ!」
「そんなことだとおぉっ!?」
エルハルトさんがラルフさんの胸倉を強く掴み上げ、さらに二、三度殴打の音がした。そこまでで、近付いたスレイバート様が手首を掴んで止める。
「そこまでにしてくれ。兄弟喧嘩は後で勝手にすりゃいいが、今は時間が惜しい。領内の状況と、城がどうなったのかを聞かせてくれ」
「部外者がなにを……っ!? その銀髪、まさかあなたは――」
すぐにその目が悼むように細められた。彼は先程の演説ではっきりと言っていた。悲しいことに、リュドベルク公がお亡くなりになったのは間違いではないらしい。
――ガツッと、いきなり目の前で鈍い音が響いた。
「ラルフッ……貴様、今さらなにをしに戻って来た! 孤児として貧しい生活を送らされたのは当家の手違いとはいえ……そんなお前を見つけ出し、貴族として振舞えるよう育ててくださった父上と、城になんの恩義も感じていなかったのか!」
「ぐっ……うるせえ! 兄貴こそ、結局なにも守れず親父に庇われてこんな領境の街まで逃げ込んで来たんだろうが! んなことより、城は……カヤはどうなったんだよ!」
「そんなことだとおぉっ!?」
エルハルトさんがラルフさんの胸倉を強く掴み上げ、さらに二、三度殴打の音がした。そこまでで、近付いたスレイバート様が手首を掴んで止める。
「そこまでにしてくれ。兄弟喧嘩は後で勝手にすりゃいいが、今は時間が惜しい。領内の状況と、城がどうなったのかを聞かせてくれ」
「部外者がなにを……っ!? その銀髪、まさかあなたは――」