魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「まあな……。大方その黒いローブの女ってのが、今回の事件の黒幕なんじゃねぇのか。さて、これからどうすんだ。領内の被害報告はまとまって来てるのか?」
「各地に兵を放ち、急ぎ情報を送らせている最中です。領内の半数以上の集落が、なんらかの被害に遭っていると見込まれますが、やはり、一番被害が深刻なのは言うまでもなくリュドベルク城の周辺の地域だ」
エルハルトさんは爪を噛み、どうしようもない現実に眉を寄せる。
「やはりこのままでは、各地を守る人手も足りない。領地の外縁部にあたる被害の少ない区域は、しばらくそれぞれの力で持ちこたえてもらい、私は余力のある兵士たちを搔き集め、中央付近の村落から、順次人々を避難させていこうと思います。故郷を失う彼らの悲しみは察して余りあるが、生き残らせるためには、仕方がない……」
エルハルトさんの言うように、なにせ事態の収拾の見込みが立たないのだ。これからよりひどくなっていくことも十分に考えられる。ボースウィン城でやっていたように汚染源となっている城の周辺区域を結界で封じるだけでも、相当な魔法士の力が必要となる。
「軽はずみなことは言えねーが、できることをひとつずつやっていくしかないだろうな。同じ帝国民だ、俺たちも協力させてもらう。ボースウィン領で聖女と呼ばれてるこいつも、ある程度の瘴気被害の浄化が可能だから、頼りにしてくれ」
スレイバート様がこちらの肩を叩くと、エルハルトさんは藁にもすがりたい状況なのか、私などにも丁重に頭を下げてくれた。
「各地に兵を放ち、急ぎ情報を送らせている最中です。領内の半数以上の集落が、なんらかの被害に遭っていると見込まれますが、やはり、一番被害が深刻なのは言うまでもなくリュドベルク城の周辺の地域だ」
エルハルトさんは爪を噛み、どうしようもない現実に眉を寄せる。
「やはりこのままでは、各地を守る人手も足りない。領地の外縁部にあたる被害の少ない区域は、しばらくそれぞれの力で持ちこたえてもらい、私は余力のある兵士たちを搔き集め、中央付近の村落から、順次人々を避難させていこうと思います。故郷を失う彼らの悲しみは察して余りあるが、生き残らせるためには、仕方がない……」
エルハルトさんの言うように、なにせ事態の収拾の見込みが立たないのだ。これからよりひどくなっていくことも十分に考えられる。ボースウィン城でやっていたように汚染源となっている城の周辺区域を結界で封じるだけでも、相当な魔法士の力が必要となる。
「軽はずみなことは言えねーが、できることをひとつずつやっていくしかないだろうな。同じ帝国民だ、俺たちも協力させてもらう。ボースウィン領で聖女と呼ばれてるこいつも、ある程度の瘴気被害の浄化が可能だから、頼りにしてくれ」
スレイバート様がこちらの肩を叩くと、エルハルトさんは藁にもすがりたい状況なのか、私などにも丁重に頭を下げてくれた。