魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
エルマ様が無事と知ってうって変わって張り切り出したテレサと肩を並べ、私たちはエルマ様が屋敷に集めた援助物資を手に、人々の間を巡り始めた。
それから――あっという間に数時間が経ち、物資を大勢の人々に行き渡らせた私たちは、比較的重たい傷を負った人々をテレサが治療するのを見守っていた。この街に辿り着くまでに、魔物たちに襲われ、心身共に疲弊している人も、たくさんいる。
テレサは額に汗しながら、真剣に列に並ぶ傷病者たちの傷を見つめ、治療の魔力を手のひらから発し続ける。その一生懸命さを見て、嬉しそうにエルマ様が微笑んだ。
「……本当に、よくできた子に育ったわ。親があたくしみたいなので、申し訳なくなるわね」
「そんな……」
答えづらい独り言に私が肩を縮めていると、エルマ様は自嘲気味に唇を曲げた。
「いいえ、あたくしったら、本当に母親失格なのよ。幼かったテレサを放り出して、自分だけ居心地がいい故郷に逃げ帰って……。ごめんなさい、こんなことお客様に聞かせる話じゃないわね」
献身的なテレサの成長ぶりは、彼女の胸に喜び以上の罪悪感を与えてしまっているのかもしれない。
それから――あっという間に数時間が経ち、物資を大勢の人々に行き渡らせた私たちは、比較的重たい傷を負った人々をテレサが治療するのを見守っていた。この街に辿り着くまでに、魔物たちに襲われ、心身共に疲弊している人も、たくさんいる。
テレサは額に汗しながら、真剣に列に並ぶ傷病者たちの傷を見つめ、治療の魔力を手のひらから発し続ける。その一生懸命さを見て、嬉しそうにエルマ様が微笑んだ。
「……本当に、よくできた子に育ったわ。親があたくしみたいなので、申し訳なくなるわね」
「そんな……」
答えづらい独り言に私が肩を縮めていると、エルマ様は自嘲気味に唇を曲げた。
「いいえ、あたくしったら、本当に母親失格なのよ。幼かったテレサを放り出して、自分だけ居心地がいい故郷に逃げ帰って……。ごめんなさい、こんなことお客様に聞かせる話じゃないわね」
献身的なテレサの成長ぶりは、彼女の胸に喜び以上の罪悪感を与えてしまっているのかもしれない。