魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
けれど……それは側にいる人たちのことを、誰よりも真剣に考えてくれているからで。
いつも一生懸命、私たちがどうしたいのか、どうしたら私たちがよい選択をできるのかを、思い遣ってくれている。今だって……きっと悩んで悩んで悩みぬいて、私以上に、私の気持ちを理解してくれようとしたんだ。
「周りから話を聞きゃあ、誰もが口を揃えてリュドベルク城には行くな、棄てるしかないと言ってる。俺もそれが正しいと思った。でもな……お前だったら、カヤって子のことがどうしても見捨てられず、助けてやりたい……そう考えてるんじゃねーのかって気がしたんだ」
「い……いえ」
心に直接問おうとするかのような瞳からとっさに目を逸らすと、私は首を振った。
ここでもし、それを肯定してしまえば……冒さなくてもいい危険を冒してまで、彼は私の願いを叶えてくれようとするのではないか。
現在のあの城の危険度は、ボースウィン領を旅立つ前の不透明な状態から格段に跳ね上がっている。領主様と屈強な大勢の騎士たちが命を落とすような苦難が、そこでは確実に待ち構えている。
スレイバート様が倒れた時の記憶が甦り、一気に背中が冷たくなった私は、まるで逃げ出すように彼との会話を打ち切ろうとした。
いつも一生懸命、私たちがどうしたいのか、どうしたら私たちがよい選択をできるのかを、思い遣ってくれている。今だって……きっと悩んで悩んで悩みぬいて、私以上に、私の気持ちを理解してくれようとしたんだ。
「周りから話を聞きゃあ、誰もが口を揃えてリュドベルク城には行くな、棄てるしかないと言ってる。俺もそれが正しいと思った。でもな……お前だったら、カヤって子のことがどうしても見捨てられず、助けてやりたい……そう考えてるんじゃねーのかって気がしたんだ」
「い……いえ」
心に直接問おうとするかのような瞳からとっさに目を逸らすと、私は首を振った。
ここでもし、それを肯定してしまえば……冒さなくてもいい危険を冒してまで、彼は私の願いを叶えてくれようとするのではないか。
現在のあの城の危険度は、ボースウィン領を旅立つ前の不透明な状態から格段に跳ね上がっている。領主様と屈強な大勢の騎士たちが命を落とすような苦難が、そこでは確実に待ち構えている。
スレイバート様が倒れた時の記憶が甦り、一気に背中が冷たくなった私は、まるで逃げ出すように彼との会話を打ち切ろうとした。