魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「私は、たったひとり城に取り残された公爵家の少女を――カヤさんを呪いから解放してあげたい。それに、こんなにも多くの人たちが苦しんでいる時に、状況を変えられる可能性がこの手にあるのに……なにもしないまま諦めて、自分自身をこの先がっかりさせたままでいたくないんです。だからどうか、お願いします! このまま私たち見送ってください!」
こちらの話を聞いて、取り囲む兵士たちにも各々思うところがあったのか、場が重たい息で満ちる中。
私はエルマ様に向けてぐっと頭を深く下げ、彼女が理解してくれると信じて待つ……。
すると、しばらくして……響いて来たのは高らかで楽し気な笑い声だった。
「ふ、あははははっ……! シルウィーあなたってば、あたくしよりもずっと大胆で罪作りな女かもね。あなたのその、絶望に抗おうとする心の強さが周りの皆に勇気を与え、苦しいことに立ち向かおうって気にさせてくる。……いいわ、通りなさい。どのみちそっちの義理の息子もこれ以上邪魔するなら無理やり押し通るって顔してるしね。ここは黙って見送ることにする」
まだ多少迷いがあるようだったが、エルマ様は握りしめていた手をさっと上げると、兵士たちに囲いを解かせ、にこりと笑う。
「それに……なんとなくだけれど、あなたたちが一緒に進む道には、希望が輝いてる――そんな予感がするのよ」
リュドベルク城への道が一気に開け、兵士たちが脇に並ぶと……その真ん中に、頭巾で顔を隠したひとりの男性が姿を現す。エルマ様は、彼に近づくとその肩を叩き、私たちの前へと押し出した。
こちらの話を聞いて、取り囲む兵士たちにも各々思うところがあったのか、場が重たい息で満ちる中。
私はエルマ様に向けてぐっと頭を深く下げ、彼女が理解してくれると信じて待つ……。
すると、しばらくして……響いて来たのは高らかで楽し気な笑い声だった。
「ふ、あははははっ……! シルウィーあなたってば、あたくしよりもずっと大胆で罪作りな女かもね。あなたのその、絶望に抗おうとする心の強さが周りの皆に勇気を与え、苦しいことに立ち向かおうって気にさせてくる。……いいわ、通りなさい。どのみちそっちの義理の息子もこれ以上邪魔するなら無理やり押し通るって顔してるしね。ここは黙って見送ることにする」
まだ多少迷いがあるようだったが、エルマ様は握りしめていた手をさっと上げると、兵士たちに囲いを解かせ、にこりと笑う。
「それに……なんとなくだけれど、あなたたちが一緒に進む道には、希望が輝いてる――そんな予感がするのよ」
リュドベルク城への道が一気に開け、兵士たちが脇に並ぶと……その真ん中に、頭巾で顔を隠したひとりの男性が姿を現す。エルマ様は、彼に近づくとその肩を叩き、私たちの前へと押し出した。