魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「今朝方、敷地の外に怪しい男がいるって話が舞い込んで、事情を聞いてみたの。そしたら、ルーファウス公の御子息のラルフ坊ちゃまだって言うじゃない。この子も、あなたたちは城に行きたがるはずだ……だとしたら、どうしても同行したいって聞かなくてね。正直、あたくしがあなたたちがこんな無茶をするだろうって確信を得たのも、彼が来たからなのよ」
エルマ様がそんな説明をした後、ラルフさんは顔を下げたまま再度懇願する。
「そっちの聖女様の命を何度も狙っておいて、虫のいい言い草だってのは分かってる。けど……俺だけの力じゃきっと、城内に入り込むことすらできねえ。必要なら、またこの手足を縛り付けてくれたっていい。囮でも、召使いでもなんでもやる。だから、俺を……もう一度、妹と会わせてくれ!」
私はスレイバート様に伺いを立てるべく顔を見上げたが……どうやら、その必要はなかったようだ。
「妹が生きてるって保証はねえ。それでもか」
「覚悟は決めた」
彼は顔中に「嫌」という感情を貼り付けたような渋い顔で、その後ろ頭を見下ろしていたが――
エルマ様がそんな説明をした後、ラルフさんは顔を下げたまま再度懇願する。
「そっちの聖女様の命を何度も狙っておいて、虫のいい言い草だってのは分かってる。けど……俺だけの力じゃきっと、城内に入り込むことすらできねえ。必要なら、またこの手足を縛り付けてくれたっていい。囮でも、召使いでもなんでもやる。だから、俺を……もう一度、妹と会わせてくれ!」
私はスレイバート様に伺いを立てるべく顔を見上げたが……どうやら、その必要はなかったようだ。
「妹が生きてるって保証はねえ。それでもか」
「覚悟は決めた」
彼は顔中に「嫌」という感情を貼り付けたような渋い顔で、その後ろ頭を見下ろしていたが――