魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
その時のことを思い出したのか、涙声になるテレサ。私が慌てて振り返ると、彼女は櫛を取り落とし、お腹の前で両手を組んで辛そうに目を閉じている。私が立ち上がり、そっとその手を両手で包み込むと、彼女はようやく淡く微笑んでくれた。
「ごめんなさい……続きを。しばらくすると、兄の身体に黒い痣が見つかったんです――」
その痣が現れて以降、スレイバート様は度々仕事中に倒れるようになったという。
彼はなんともない、大丈夫だとひたすら強がったが、異常は誰の目にも明らかで……。何度も精霊教会の治癒士を呼び寄せ、身体の隅々まで調べてもらってあることが判明した。
彼の身体には、なんと信じられないほど強力な呪いがかけられていたのだ。
「お兄様が、あんな弱音を吐くなんて……」
精霊教会の高位の治癒士ですら、その呪いを解くどころか和らげることすら叶わず、手の尽くしようがなかった。テレサはある日、部屋でひとり嘆き悲しむスレイバート様の姿を見てしまった。
「ごめんなさい……続きを。しばらくすると、兄の身体に黒い痣が見つかったんです――」
その痣が現れて以降、スレイバート様は度々仕事中に倒れるようになったという。
彼はなんともない、大丈夫だとひたすら強がったが、異常は誰の目にも明らかで……。何度も精霊教会の治癒士を呼び寄せ、身体の隅々まで調べてもらってあることが判明した。
彼の身体には、なんと信じられないほど強力な呪いがかけられていたのだ。
「お兄様が、あんな弱音を吐くなんて……」
精霊教会の高位の治癒士ですら、その呪いを解くどころか和らげることすら叶わず、手の尽くしようがなかった。テレサはある日、部屋でひとり嘆き悲しむスレイバート様の姿を見てしまった。