魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
優秀な魔法士の全力疾走を体感した私の顔はひきつり……途中で、ぎっとラルフさんを睨み付けるスレイバート様とすれ違った。
「ご無事で……!」
「やばくなったらそいつなんざ見捨ててこっちに逃げてこい! 絶対だぞ――!」
そんな声を置き去りにして――私は乱暴に奥の扉を蹴り開けたラルフさんと一緒に、カヤさんの部屋に転がり込んだ。
「うらぁぁっ、カヤ、どこだっ!」
魔物を威嚇する怒鳴り声と共に、ラルフさんが真っ暗な室内に取りつけられていた、魔道照明のスイッチを叩く。するとそれはわずかに生きていて、天井に微かな光を灯り、部屋の内部を映し出す。
(なんて、強い瘴気……!)
スレイバート様から呪いを取り除いた時を思わせる、粘度が濃く、纏わりつくような瘴気を苦労して取り除くと、私も周りに目を凝らそうとした。けれど、それよりも先に。
「――カヤぁぁぁぁぁっ!」
変わり果てた少女の姿を前にしたラルフさんの咆哮が、耳を貫いた。
「ご無事で……!」
「やばくなったらそいつなんざ見捨ててこっちに逃げてこい! 絶対だぞ――!」
そんな声を置き去りにして――私は乱暴に奥の扉を蹴り開けたラルフさんと一緒に、カヤさんの部屋に転がり込んだ。
「うらぁぁっ、カヤ、どこだっ!」
魔物を威嚇する怒鳴り声と共に、ラルフさんが真っ暗な室内に取りつけられていた、魔道照明のスイッチを叩く。するとそれはわずかに生きていて、天井に微かな光を灯り、部屋の内部を映し出す。
(なんて、強い瘴気……!)
スレイバート様から呪いを取り除いた時を思わせる、粘度が濃く、纏わりつくような瘴気を苦労して取り除くと、私も周りに目を凝らそうとした。けれど、それよりも先に。
「――カヤぁぁぁぁぁっ!」
変わり果てた少女の姿を前にしたラルフさんの咆哮が、耳を貫いた。