魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
カヤさんの目が開き、起き上がるところまでは見えた。
(…………あれは!)
だが、そんなやり取りもすぐに聞こえなくなってしまい……焼け崩れた巨大花から、禍々しく黒い靄が上がっていくのが見えて、私は慌ててそれに手を伸ばす。カヤさんから拒絶の想いが失われた今なら――。
彼女の身体に閉じ込められていた呪いが、重たいうねりを伴って私の中に取り込まれてくる。吐き出したくなるような気分の悪さと戦いつつも、なんとか私はそれが途絶えるまで両手を伸ばし続け、外の世界に溢れ出ようとした呪いとの綱引きに打ち勝った。
直後、地面と足の裏が離れるような感覚を感じ、自分の出番がもう終わったことを悟らされる。糸で背中を引かれるようにしてこの世界から離脱していく私の眼下に最後に移ったのは、温かな火を両腕で抱き抱えるようにした、涙ながらに微笑む少女の姿。
それを見て、私はとても羨ましいと思えた。親がどうとか生まれがどうとか、関係ない。互いを想い合う兄妹の絆は、尊くて偉大なのだ――。
ハッと目を開けると、私は倒れ伏していた絨毯の上で身体を起こす。
(…………あれは!)
だが、そんなやり取りもすぐに聞こえなくなってしまい……焼け崩れた巨大花から、禍々しく黒い靄が上がっていくのが見えて、私は慌ててそれに手を伸ばす。カヤさんから拒絶の想いが失われた今なら――。
彼女の身体に閉じ込められていた呪いが、重たいうねりを伴って私の中に取り込まれてくる。吐き出したくなるような気分の悪さと戦いつつも、なんとか私はそれが途絶えるまで両手を伸ばし続け、外の世界に溢れ出ようとした呪いとの綱引きに打ち勝った。
直後、地面と足の裏が離れるような感覚を感じ、自分の出番がもう終わったことを悟らされる。糸で背中を引かれるようにしてこの世界から離脱していく私の眼下に最後に移ったのは、温かな火を両腕で抱き抱えるようにした、涙ながらに微笑む少女の姿。
それを見て、私はとても羨ましいと思えた。親がどうとか生まれがどうとか、関係ない。互いを想い合う兄妹の絆は、尊くて偉大なのだ――。
ハッと目を開けると、私は倒れ伏していた絨毯の上で身体を起こす。