魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 未だ混乱の続くリュドベルク領を速やかに復興させるためには、どこにどういった形で人員を振り分けるか、エルハルトさんとよく相談しなければならない。お隣の領地のことだとしても、あれだけの激闘の後すぐにとんぼ返りしていった働き者の彼には頭が下がるばかりだ。

 テレサに関しても、エルマ様と一緒に被害を受けた街を回って、怪我をした人々の治療に勤しんでいるそうな。そんな話を聞くと、ひとりだけベッドで臥せっていた私は心底申し訳なくて――ふたりが帰ってきたらしっかりと労ってあげたい。

 それから……ラルフさんとカヤさんがその後どうなったかについては、まだ情報は伝わってきていない。今回の事件について、エルハルトさんが領民にどのような説明を行うことになるのか分からないし、彼らの居城も大きく損傷してしまった。カヤさんの体調面も含めて、心配は尽きない。

 でも……今回の事件を乗り越えたふたりは、きっと前よりもずっと精神面で強くなったはず。故人であるルーファウス様の意志を継いだエルハルトさんと力を合わせ、また兄妹で手を携えて前に進みだすことだろう。それはいずれ、リュドベルク領を新たに照らす希望のひとつとなってくれると信じられる。

(彼らに負けないくらい、私も頑張らなくちゃ……)
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