魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
そう思うと気合が入り、私は今回も力を貸してくれた胸の貴聖石のペンダントに指で触れた。この輝く空色の宝石にも、また新しい変化があった。
石の内部に、これまでなかった黄色い花模様が浮かび上がっているのだ。それは雪の結晶と合わさり、まるで小さな花畑のように美しく鏡面を彩っている。これを見ていると、またひとり私を支えてくれる存在が増えた気がして、とても心強い気分になる。
――だが、当然なにもかもが良い方向ばかりに進んでいるわけでもなく……。
改めて脅威に思うのは……あの黒いローブの女性のことだ。彼女は明確にラルフさんが、私を殺すように仕向けていた。
(いったい、どうして……)
彼女が何者かも分からないばかりか……直近で対面したばかりなのに、もう彼女に関する情報――声やふるまい、露わだった顔の下半分や手指など――あらゆる特徴が、思い出せなくなりつつある。対峙した時も思ったけれど、人に知られず暗躍するためになんらかの魔法を使っているのか……。
だけど……たったひとつ強い印象として残ったのが、ラルフさんが投げたナイフで傷つけられた際、フードの切れ目から一瞬覗いた赤い光。
石の内部に、これまでなかった黄色い花模様が浮かび上がっているのだ。それは雪の結晶と合わさり、まるで小さな花畑のように美しく鏡面を彩っている。これを見ていると、またひとり私を支えてくれる存在が増えた気がして、とても心強い気分になる。
――だが、当然なにもかもが良い方向ばかりに進んでいるわけでもなく……。
改めて脅威に思うのは……あの黒いローブの女性のことだ。彼女は明確にラルフさんが、私を殺すように仕向けていた。
(いったい、どうして……)
彼女が何者かも分からないばかりか……直近で対面したばかりなのに、もう彼女に関する情報――声やふるまい、露わだった顔の下半分や手指など――あらゆる特徴が、思い出せなくなりつつある。対峙した時も思ったけれど、人に知られず暗躍するためになんらかの魔法を使っているのか……。
だけど……たったひとつ強い印象として残ったのが、ラルフさんが投げたナイフで傷つけられた際、フードの切れ目から一瞬覗いた赤い光。