魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「シルウィー、ありがとな……。俺たちのところに来てくれて」
「ど、どうしたんですか!?」

 そのストレートな感謝に私が驚いて振り向くと、照れた彼は不満そうに唇を曲げた。

「な、なんだよ。これでもお前には色々と感謝してんだ。だからその……これからもよろしくってだけ。それとさ」
「は、はい」

 彼は調子を整えるように喉の辺りを触った後、私の肩に手を掛けながら真面目な顔で言う。

「状況に流されたせいだ、とか後で思われんのも癪だから、もっかい言っとく。俺、お前のこと……本気で好きだからな」
「――――!? あうっ!」
「おいおい、大丈夫かよ」

 後ろに曲げすぎた首のあたりがごきっと鳴った。
 反射的に――聞こえないようテレサの耳を塞いだ手を、頭の後ろに回しながら……。

 予想外の真剣な告白に、私は痛み、恥ずかしさ、嬉しさなど――一気に処理しきれない感情を抱えてパニックになる。
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