魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 強い瞳だ……先日のことがなかったら、この人が死にかけているなんてこと、信じられないくらいに。彼は妹をあやしながらこちらとじっと見つめた後、ふと意地の悪そうな笑みを口元に浮かべ、こう言った。

「俺に抱かれる覚悟はできたか?」
「――――はぅ!?」
「はっ、その様子じゃまだみてーだな」

 一瞬で真っ赤になった私の反応を軽く笑い飛ばすと、スレイバート様はいきなり私の腕を掴み上げ、立ち上がらせた。そして扉の外へ引っ張っていく。

「な、何するんですか!」
「出かけるからちょっと付き合え。テレサ、こいつ借りるぜ」
「は、はい……」

 テレサに断ると、私の抗議の声を無視したスレイバート様は、そのままずんずんと、城の外に向かってゆく。どこでなにをするのかを尋ねても、一切明かさず「ついてくりゃ分かる」の一点張り。
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