魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 私が示したのは、同じ石をふたりで分かち合うという、そんな提案。
 バイカラーのアメジストはペンダントに使われるようなサイズ感だったし、うまくカットすれば宝石二個分になってくれるんじゃないかと、そう考えたのだ。

 そんな無理くりな提案にスレイバート様は渋い顔を見せた。

「でもなぁ……せっかくのこのサイズの宝石を割っちまうのは、ちょっともったいなくねーか? 作ってくれた自然に申し訳ねえ気もするしさ」
「そ、そうかもしれません……けど」

 彼の言うことはもっともだ。これでは、私のただの独りよがりにすぎないのかもしれない。
 でも、私は……。

「……どうしても、あなたと同じものが持ちたくて」

 自分でも、素直にこんな言葉が出たことに驚いている。感情そのままの、子どもじみた我が儘のような、そんな意見。でも紛れもなくこれが私の本心なのだ。
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