魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「ラルフさん!?」
そこにいたのは、いつぞやの赤髪の青年だ。リュドベルク領で私たちと行動を共にしていた、公爵家の御曹司にして炎の魔法拳士、ラルフさんである。
「そんなに驚いちまってよ。ひょっとしてオレらのこと忘れてたのか?」
「い、いえ! そんなわけありませんよ……」
ここ最近は婚約指輪のことに気持ちが傾いて、彼らが来てくれることを頭の片隅に追いやっていた感は否めない。でも、決してあの時の思い出をないがしろにはしていないと真剣に見つめると、ラルフさんはまるで気にしていない様子でからからと大笑いした。
「ははっ、冗談だって。それより、早速あんたに会わせてやらなくちゃな。ちょっと待っててくれるか?」
ラルフさんはそう言い残すと、通路の先の曲がり角に引っ込んでいった。そしてそこからゆっくりと押されてきたのは、車椅子だ。その上に大人しく座って、緊張しながらこちらを見上げる少女の姿を見て、私は思わず顔を綻ばせた。
「カヤさん!」
「お、お久しぶりです……」
そこにいたのは、いつぞやの赤髪の青年だ。リュドベルク領で私たちと行動を共にしていた、公爵家の御曹司にして炎の魔法拳士、ラルフさんである。
「そんなに驚いちまってよ。ひょっとしてオレらのこと忘れてたのか?」
「い、いえ! そんなわけありませんよ……」
ここ最近は婚約指輪のことに気持ちが傾いて、彼らが来てくれることを頭の片隅に追いやっていた感は否めない。でも、決してあの時の思い出をないがしろにはしていないと真剣に見つめると、ラルフさんはまるで気にしていない様子でからからと大笑いした。
「ははっ、冗談だって。それより、早速あんたに会わせてやらなくちゃな。ちょっと待っててくれるか?」
ラルフさんはそう言い残すと、通路の先の曲がり角に引っ込んでいった。そしてそこからゆっくりと押されてきたのは、車椅子だ。その上に大人しく座って、緊張しながらこちらを見上げる少女の姿を見て、私は思わず顔を綻ばせた。
「カヤさん!」
「お、お久しぶりです……」